園長日記

2013 年 8 月 31 日 土曜日

   最近、りす組の部屋をのぞくと子ども同士の関わりがとても多く見られるようになってきました。遊びの時はもちろんのこと、食事の時は配膳を待つ時間を利用して、隣の子と一緒におしゃべりタイム。今日してきたことについてのお話や、その時に思いついた話題でとても楽しそうに会話をしています。今までは私が行くとそれぞれのお話を聞かせてくれたのですが、今では「今日はね。○○ちゃんと△△ちゃんと公園に行ったよ」とお友達も交えたお話が出来るようになってきました。
   このように、人との関わりが増えてくるということは、情緒が安定してきた証拠です。保育所保育指針という国が出している、保育をする上で中心となってくる指針があり、その中の「情緒の安定」の内容には、「一人一人の子どもの気持ちを受容し、共感しながら、子どもとの継続的な信頼関係を築いていく。」と書かれてあります。0歳や1歳の時は自分自身の世界の中で、必死に生きてきた子ども達が、少しずつ外の世界に興味が出てきて、一歩ずつ新しい世界に足を踏み出そうとしているのですね。

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(おたよりの続き)
  弦を張った楽器は日が経つにつて、その張りが少しずつずれてきます。そのずれをもとに戻すのに音の調整をしなくてはなりません。その音の調整をピアノでは「調律」ギターなどでは「チューニング」と言います。その「調律」は人間関係にも必要で、専門的な言葉で「情動調律」と言うそうです。これはどういうことかというと「相手の行動や状況から、相手の感情を推察し、その感情に対して反応する行動を情動調律といいます。」とあります。この言葉はめったに聞くことはありませんが、心理学では、親が我が子に対して情動調律行うことによって、人間関係における発達を促すと考えられています。また、日々の中で何度も繰り返される情動調律の中で、成人後の他人との親しい情動の形を決めていくと言われています。
 具体的にはどのような関わりを情動調律というかというと、乳児の時は、生後一年間は親(養育者)との交流から,自分の要求を親がどのように理解し、応じたかをもとにして親の特徴や対人情況のパターンに基づく世界像を発達させます。赤ちゃんが楽しそうな声を上げると、母親が優しく赤ちゃんをなでたり、赤ちゃんに合わせて楽しそうな高い声を出したりして、赤ちゃんのうれしい気持ちを確認し肯定します。つまり、調律の時に一つ一つ音を合わせていくように、赤ちゃんのその時その時の感情に合わせ、常に良い状態になるように寄り添い、安定させてあげるということです。なので、悲しい気持ち、不安な気持ち、怒りの気持ちの時には、その都度、母親が安定した気持ちへと調律してあげることがとても大切な事なのです。その時の子どもの興奮レベルに合わせることが、肯定のメッセージになるのです。毎日の情動調律の積み重ねが、母親と情緒的につながっているという安心感を赤ちゃんに与えるのです。
 赤ちゃんの頃から毎日のようにこの情動調律を反復していくことによって、その後の、1才児から幼児になっていくまでは、他人が自分の感情を共有してくれるという意識を発達させていきます。その意識は、他人と自分を区別できるようになる生後8か月ぐらいから現れ、両親や祖父母などとの関係を通じて形成されていきます。
 小さいうちからのこうした丁寧な関わりが子ども達の情緒を安定させていくのですね。


もし親が不適切な対応をしていたらどのようになってしまうのかを9月15日ごろ載せます。

2013 年 8 月 15 日 木曜日

 アラバマ大学の心理学者であるドルフ・ツィルマンは、怒りの仕組みを調べ、解明したうえで、怒りをコントロールする方法を二通りあげています。一つは、怒りの発端となった理由をもう一度問い直してみる方法です。怒りは、最初に衝突があり、それに対する評価から発生し、さらに評価検討が繰り返されて増大していくのだと言います。この時タイミングが重要で怒りが発生してから早ければ早いほど効果が大きく、怒りが表出する前に気分を静めることができれば、怒りを完全に回避することも可能だと言っています。この方法は、とても有効で、参考になります。
 外で腹を立て、それを家に帰って夫婦の間でそのことを報告するときに、その内容に同じように腹を立てて聞くと、怒りが増大してしまうことがあります。それを、その理由なりを冷静に考察することから助言をすると、怒りがおさまるということがあります。そこに、私は複数の人からの多角的な見方が必要であり、それを素直に聞く力が必要だと思います。ただ、怒りが激しく、まともに考える余裕がなくなっている場合は効果がないとツィルマンは指摘しています。
 そして、もう一つは「さらなる怒りを喚起する要因のない環境に身を移して、急増したアドレナリンのほとぼりが冷めるまで待つ」ということです。例えば、誰かと言い争いになった場合、しばらくその相手から距離を置くという方法です。怒りが静まるのを待つあいだ何か気晴らしを見つければ、憎悪の拡大にブレーキをかけることができるというのです。気晴らしは怒りから意識をそらすのに大変有効的であるとツィルマンは指摘しています。理由は、簡単で、楽しいことをしながら怒り続けるのは不可能だからと言います。ただし、まず、楽しいことをする気分になれる程度に怒りを静めることが肝心だとも言っています。但し、前回の日記でも記したように気晴らしにはなっても結局は怒りの根本を解決することにはつながりません。
やはり、一時怒りを鎮めて冷静になった後は、じっくりと話し合うことが大切ですね。小さいうちからケンカの度に話し合いを通して、共に生きる仲間との信頼関係を深めていってもらいたいと思います。