園長日記

2010 年 7 月 30 日 金曜日
最近の幼児組のお部屋をのぞくと色々な材料を目にします。トイレットペーパーの芯やお菓子の箱、新聞の広告等、さまざまですが、これがあっという間になくなり、素材の持ち味を上手に工夫して、多くの作品が作られています。それら一つ一つを見ていると、個性的なものもあれば、とても芸術的なものもあります。将来をつい期待してしまいます。しかし、保育園では造形活動をよくとりいれていますが、それは造形を通して季節や行事を意識すると共に、手先の発達を促すことや、創造力を培うために行っています。そして、何より、多くの経験を通して、将来を豊かな心を持って過ごしてもらうためです。ピカソやゴッホは二の次で良いのではないでしょうか?目の前で笑顔でいる子ども達を見ているといつもそう感じます。 (おたよりのつづき) 小学校学習指導要領22年試案では、図画工作を学ぶ意味をいくつかの視点から見ています。この視点は、何も図画工作を学ぶ意味だけでなく、私たちに、今、必要とされている力が表現されていますし、その問題に対して人類の文化が発達して来た永い歴史について考えることから始めている点が、考え方の参考になります。  まず、「発表力の養成」としています。先人の工夫し,経験したことがらを受け継いで,更にそれに自分の経験や工夫を加え,またそれを次の時代の人々に伝えていくはたらきがなければならないということです。求められる力として、伝える力です。他人の発表する思想や感情を正しく受けとる力と、自分の持っている思想や感情を正確に発表する力を備えていることが必要だと言っています。その発表する手段として、時間的・抽象的なことを発表する場合は、言語・文章により、空間的・具象的なことを発表するに適しているのが絵画・図・製作物というような造形的なものがあるのです。そのために、国語や外国語が教科として取り上げられている一方,図画工作が同様に教科として取り上げられて、造形的な発達力・創造力及びそれを理解(鑑賞を含む)する力を養うことが必要であると言っています。 続きは8月15日ごろ載せます
2010 年 7 月 11 日 日曜日
 先日は盆踊りの参加・ご協力ありがとうございました。ぞう組の和太鼓の演奏はいかがでしたか?まだ始めたばかりで決して上手とは言えませんが、一人一人がとても楽しそうにやっていたのが印象的でした。これからの飛躍を期待してください。  前回は音楽の学習指導要領の中身をご紹介しましたが、昭和22年に作られた過去の学習指導要領を見ると、とても面白いことが書かれています。「音楽は,音を素材とする時間的芸術である。 音楽では,素材となる音に,まず,生命が与えられる。即ち,音のリズミカルな運動が起されて,ここに,音楽的な生命の躍動が始まるのである。」「時間的芸術である」という表現が面白いですね。  ドイツの保育園には余韻が長く続く楽器と言うことで日本では良く見る楽器が使われているそうです。それは、お仏壇にある座布団の上に乗っている「りん」という楽器です。私は職業柄いつもこの音色を聞いて、この余韻を大切にしながら、さまざまな所作を行い、仏様とつながっていることを実感しています。この事を考えると、昭和22年の指導要領に書かれてあるように、音楽とは「時間的芸術」であるという気がしますし、「素材となる音に、まず、生命が与えられる」ということを実感します。  続きにはこうも書かれてあります。「生まれた音楽は,人間と同じように生きている。そして音楽独自のことばで,その楽想を語るのである。独自のことばとは何かというに,それは,音そのものであり,音の運動である。しかも,それらは,世界ただ一つの普遍語である。」音というものは、いくら余韻があるといっても消えていくものです。その点、文字や絵画は消えていきません。そこに、音楽の特異性があり、文学、図画工作とともに音楽から芸術を学ぶ必要があるのです。  音ということを深く考えれば考えるほど、安易に技術だけを教えるのではなく、音を通して、潤いある生活になるような関わりを大切にしていかなくてはなりませんね。  「りん」があるご家庭は、お休みの時に「りん」の余韻が少しずつ消えていくのを感じながら、「時間的芸術」の世界を楽しんでみませんか。