人との関わり

「優越感と劣等感???」

2015.03.15

教える、教わるという関係は、とかく優越感とか劣等感に結び付けてしまいかねません。どうしても、競争社会の中で、親はわが子を他の子と比較してみるようになってしまいかねません。能力の高い人に対して、その人を尊敬できるか、その人に共感できるかということが大切であるのに、どうしても、嫉妬とか、羨望とか、敵意とか、その裏返しとしての劣等感を強く意識してしまうことが最近は多いようです。あるいは逆に、自分のほうが何か優れているときに、健全な誇りとか、自信とかいうことではなくて、優越感を感じてしまうことがあります。
劣等感と優越感というのは、表裏一体の感情で、人間は、だれもがいろいろな意味で程度の差はあれ、そういう感情は持っているのです。それが過度に強調されて子どもの中に育ってしまうということは、エリクソンが言う、この勤勉さを習得しなければならない時期に、友達から豊かにものを学び得たか、同時に友達に多くのことを分かち与えたかという経験がとても大事であるということをエリクソンは強調しているのです。
ただ、エリクソンはその時期を小学校低学年である児童時の課題と言っていますが、これは、保育園での子どもたちの様子を見ていると、程度の差があるとはいえ、また、その姿は違うと言えども、すでに乳児から行われていることのような気がしています。それは、乳児の頃から共感する力を持っているからです。同時に、違いを知るということも、自己を確立してくることも関係してくるからです。
もう一つ、私は、この教わる、教えるという関係は、異年齢で行われることが多いために、異年齢で過ごすことも大切になると思っています。そう考えると保育園で過ごす子ども達は、毎日の中でいろいろなクラスの子ども達との関わりや保育士以外の大人との関わりなど、様々な関わりがあります。この関わりが将来の「勤勉性」にもつながっていくのですね。
優越感や劣等感を持たずに相手のことを思いやれる子ども達になってもらいたいですね。

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