食育

「食事を我慢???」

2014.09.13

 芸能人がなくなったというニュースの時、喫煙が原因であるかのようなことが流れることがあります。日本では直接の死亡原因と喫煙の関係については言いませんが、アメリカでは、もうすでに喫煙率が半減したことにより、ガンも減少傾向にあり、医療費も減少、多少なりとも経済復興に貢献しているということから、日本でも積極的に禁煙を勧めるようになっています。同様に、各国では、子どもの味覚形成と食育が、心身の問題としても重要視され始めています。
 以前、静岡英和学院大学教授の佐々木氏の講演がありました。彼は長く家庭裁判所の調査官をやっていて、非行の子たちと関わっていたそうです。その時に、非行の子ども達の夕飯は一体どのような過ごし方をしているのかなと、25人ほど調べてみたそうです。まず、好きな時間に一人で食べる「孤食」、家族が一緒にいても、みんな別々のものを食べる「個食」、決まったものしか食べない「固食、偏食」、朝飯を取らない「欠食」、彼らは全員この特徴が全部当てはまるか、あるいは1個以上当てはまったそうです。しかも、早い子どもは幼児期からそうだったそうです。年長、年中ぐらいになってくると、「腹減った」というと、親は「はい、どうぞ」と食べさせる。のべつまくなしボリボリ、バリバリ。ここに佐々木氏は非行の原因があると確信したそうです。
 佐々木氏は、おなかがすいても我慢するということをしなければならないと言います。それは、他の分野でも我慢が要らない、自分の欲求が出てきたときは、即何をやってもよいという考え方、行動になってしまうことが、非行に結び付いていると警告しています。
 我慢をするということも、ただ我慢しなさいではなく、みんなで一緒に食べるときまで我慢しようと言える食事は、子どもが育つ環境の中でもやはり大事な場ですね。特別に食育として取り組むことをしなくても、一緒に食べるとか食べる楽しさとか、そんなことから始めていくことの方が、結果として食全体の改善につながっていくのではと感じます。
 子ども集団では、当然自分の思いだけが通らないことも多いでしょうが、それが成長には必要なことなのですね。

top