赤ちゃん研究

五感と運動のつながり

2012.04.27

  新入園児の子ども達は入園後、1ヶ月が経ち、大分慣れてきた姿が見られます。ひよこ組ではハイハイをしながら興味のあるおもちゃに向かっていく姿が見られたり、あひる組ではたくさんのおもちゃの中から自分の気に入ったおもちゃを見つけ遊んでいる姿が見られたりと、少しずつ色々な事が出来るようになってきました。これから遊びの幅が広がっていくと、イタズラをするようにもなってきます。この散策遊びの広がりにより、子ども達の五感への刺激が増えていきます。この五感の刺激こそが運動機能を高め、更に出来ることを増やしていくのです。何気ない成長の裏には未知なることが起こっているのですね。成長が早いこの時期は目が離せませんね。
(おたよりのつづき)
  人は、人とコミュニケーションをとるときには、必ずしも言語によらないことはわかっています。しかし、言語によるコミュニケーションにしても、非言語によるコミュニケーションにしても、人間は、五感を使って外界からの刺激を感じ、その情報が脳に送られ、その刺激を理解し、判断する行為をしているのです。そして、その情報を整理し、保存をしておくことで、お互いの意味の合意が次の時の会話が成り立っていくのです。この中で、五感を使って外界からの刺激を感じ、理解し、判断する能力を「認知能力」といいます。しかし、五つの感覚で構成されている五感といわれているものは入り口であり、この刺激をもとにして、外界にある事物や事象を意味あるものとして対象としたときに、はじめてこの五感は、「知覚」となるのです。ですから、発達は、まず「子ども達自らから環境に働きかけること」が必要になってくるのです。
 「脳の地図は体との関連でできてくる。」といわれることがあります。生まれ持った体や環境に応じて、また体の使い方の習熟・開発に応じて脳は「自己組織的」に自分を作り上げていくということです。この体の使い方を「運動」といいます。「運動」というと一般的には、走ることであったり、サッカーや野球などをやることであったり、体を鍛え、健康を保つための全身運動をさすことが多いと思います。しかし、「運動」とは、「身体が動く」ことを指すことがあります。たとえば、赤ちゃんが音のするほうに顔を向け、動くものを目で追うという行為は、視覚、聴覚を使って感じた知覚を、運動によって認知しているのです。ですから、体が高機能でないと脳も高機能にならないのです。目・耳・鼻・口・手等、様々な動作から日々子ども達は成長しています。よく「子どものすることに無駄はない」と言いますが、イタズラも立派な運動です。危険ではないイタズラはたまには大目に見てくださいね。

次回は人間の持つ2つの運動能力について5月15日ごろ載せます

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